映画
最後のジェダイの劇場公開終了から時間も経過して、ブルーレイ/DVDも発売された事なので、僕なりの感想を書いてみようと思います。
いやぁ〜。
この映画に評価や評論をするのは凄く難しいなぁ。
はっきり言って映画としての出来は相当宜しくないです、ハイ。
って言うか、映画としてかなり破綻しているんじゃないかな?
なので、単純に映画としての出来で比べるならば、圧倒的に前作の『フォースの覚醒』に軍配が上がるでしょう。
ただ、僕個人としては『フォースの覚醒』よりも遙かに今回の『最後のジェダイ』の方が楽しめたのも事実でして、そこらへんの感情、感性、或いは心情的なところを僕の稚拙な文章で上手に表現出来るか否か聊か不安ではあります。
そもそも僕のレビューなんて毎回支離滅裂なんですけどね。
今回はそれに更に拍車が掛かりそうです。
いやぁ〜。
この映画に評価や評論をするのは凄く難しいなぁ。
はっきり言って映画としての出来は相当宜しくないです、ハイ。
って言うか、映画としてかなり破綻しているんじゃないかな?
なので、単純に映画としての出来で比べるならば、圧倒的に前作の『フォースの覚醒』に軍配が上がるでしょう。
ただ、僕個人としては『フォースの覚醒』よりも遙かに今回の『最後のジェダイ』の方が楽しめたのも事実でして、そこらへんの感情、感性、或いは心情的なところを僕の稚拙な文章で上手に表現出来るか否か聊か不安ではあります。
そもそも僕のレビューなんて毎回支離滅裂なんですけどね。
今回はそれに更に拍車が掛かりそうです。
僕が『フォースの覚醒』からなる新しいトリロジーを観る際に、あるマインドセットをしているのは最後のジェダイを観た感想のその前に〜オーガナ的ディズニースターウォーズの鑑賞の心得で書いた通りです。
やはり、僕個人としては『フォースの覚醒』から成る新ディズニートリロジーを今迄の作品と同列に捉える事は出来ないと言うのが素直な感情です。
って言うか、仮に同列に捉えた場合、結構な嫌悪感を覚えてしまうのが正直なところで、だったら一線を画した上で、あくまでもディズニーが作った新しいスターウォーズとして、やや俯瞰した状態で変に斜に構えずに作品を鑑賞する方が気楽ってもんです。
要するに自らの精神衛生を保つ為には、そうせざるを得ないって事です。
従来のファンであれば渾身の力を込めた正拳突きでスクリーンをブチ破りたい衝動に駆られるであろう諸々の事も、一線を画す事によって、おおらかな気持ちで観られるってもんです。
何やら今回の『最後のジェダイ』に関しては、ファンの間で作り直しを要求する為の署名運動が起こっている程に評判が宜しくないらしいですが、いくらファンが声高に作品に対する不満を口にしたとしても、まず出来上がった作品を変えるなんて事はあり得ない訳だから、だったら、こちら側のマインドセットを変えて挑むのが健全ってものです。
ま、折角映画館まで足を伸ばしてるのだから、楽しめると思える部分だけでも楽しんだ方が良いですからね。
あと、今回の感想ですが、僕としては珍しく
かなり毒を吐きます
更に感想を書く上で、どうしても
フォースの覚醒をディスる
事が余儀なくされるので『フォースの覚醒』から始まるディズニー3部作が好きと言う方は読み進めるのを控えて下さいね。
場合によっては気分を害する可能性がありますので…。
え〜、そもそもディズニーの展開するナンバリングスターウォーズの世界観って
クソつまんねー!!
と僕は思ってます。
いくらファンからの支持が高いからと言って、一度大団円を迎えた世界観とほぼ同じシチュエーションで再開するって、芸が無いにも程があります。
『フォースの覚醒』を観たジョージ・ルーカスが酷評をしたのは至極当然だと思いますね、うん。
おこがましいとは思いますが、長い間ルーカスのスターウォーズのファンだった身としては、ルーカスの気持ちが何となく理解出来ます。
まぁ、スターウォーズを売ったヤツが何を言うのかと言う意見も聞こえてきそうですが…。
要するに、ディズニー3部作には、そもそも描きたい物語が無いのですよ。
単にスターウォーズと言う映画を作りたいから物語をでっち上げたに過ぎないので、だから事前にファンにリサーチを行うなんて言う馬鹿げた現象が起こります。
描きたいモノが無いなら作るなよ!!
と、少なくともルーカスのスターウォーズをこよなく愛す身としては、こう言いたくなってしまう次第です。
さて、で、今回の『最後のジェダイ』。
正直、クリエイティビティの欠片も感じられなかった前作の『フォースの覚醒』の続編としては、猛烈に足掻いている様に感じました。
もしかするとライアン・ジョンソンも『フォースの覚醒』を観て「つまらない」と感じたのかもしれません。
予定調和で終始した『フォースの覚醒』に対して、如何に抗う事が出来るのかを挑戦した様にも感じられます。
故に、意表を突く事に固執したのではないかと。
勿論、その方法論が乱暴だったのは映画を観れば誰しもが感じるところではあるのですが、とは言え、『フォースの覚醒』を観た時の淡々とした感覚とは全く逆で、良しにせよ悪しにせよ、観ている間中感情の起伏があったのは確かです。
少なくとも僕はね。
要するに、観客に新しいモノを見せようとする気概だけは感じる事が出来て、その一点のみに於いて、若しくは、その一点があるからこそ『フォースの覚醒』よりも遙かに楽しく感じたのではないかと思うのです。
で、前作を「つまらない」と言い切った創造主のルーカスが、今作に於いては「綺麗に仕上がってる」と賛辞を送った理由もそこら辺にあるのじゃないかと。
つまり、常に新しいものを作りたかったルーカスにとって、懐古主義だった前作よりも、荒削りではあるにせよ果敢に新たな試みに挑戦している今作の方が好ましく感じたんじゃないかと思うのですよね。
まぁ、結果的にご法度だらけになっちゃいましたが。(笑)
なんて言うんですかねぇ。
ライアン・ジョンソンって、シーン毎のシチュエーションに於いての魅せ方は凄く上手だと思うのですけど、その反面、全体の流れとして見せるのは、ちょっと不得意なのかなぁ?
事実、グっとくるシーンは結構あったと思うのですよね。
って言うか、シーンだけを切り取って見たとすれば、結構な名シーンの連続だったんじゃないかと。
そんな訳で、個人的に好きなシーンを幾つか挙げてみましょうかね。
・冒頭のポーの単独で敵陣にX-WINGで突っ込んで行くシーン
旧3部作でのエースだったウェッジはイマイチ凄腕感が伝わってこなかったのだけど、あのシーンのポーは「お、コイツ、スゲーヤツなんだな!」って感じが良く出てたと思います。
X-WINGがドリフトするのも好きだなぁ。
・嘗ての弟子の元に姿を現すマスターヨーダ
すっかり年老いたルークをして、マスターヨーダは今も尚「ヤング・スカイウォーカー」と呼びます。
どんなに年をとったとしても弟子は弟子なんですよね。
いつまでも大きな存在としていてくれる偉大な師の存在が暖かく感じる良いシーンでした。
・ファルコン号のコクピットに入るルーク
前作でもそうでしたが、こんなにも存在感の大きなビークルって他にあるでしょうか?
そんな存在感の大きなビークルに、これ又絶大な存在感を誇る嘗てのヒーローが再び入るって、もう、反則に近いですよね。
・助けて!オビワン・ケノービ!
反則技その2。
こんなの感動しない訳がない。
・カイロとレイの共闘。
これも嘗て無い素晴らしいシーンだと思います。
一時的とは言え、赤いライトセイバーと青いライトセイバーが力を合わせて戦うなんてシーン、過去のスターウォーズではなかったですからね。
従来のスターウォーズからは考えられないシーンに思わず「おおっ」と声が出ました。
・ルークとレイアの再会。
涙モノでした。
「髪型を変えたのよ」って、さぁ、姫。
若き日の貴女の活躍を知っている身としては、色んな感情が込み上げて来て止まりませんぜ。
・ルークとカイロの一騎打ち。
「お前如き、まだまだ私の敵ではないよ」とでも言わんばかりのルークの立ち振る舞いはカッコ良かったですねぇ。
ジェダイマスターの名に相応しい毅然とした態度は流石ルーク。
最後の最後に「ああ、やっぱりルークはカッコいいんだ!」って思えるシーンを用意してくれた事に素直に感謝しました。
他にもちょっとした良いシーンは沢山あります。
沢山あるのですが…。
そこへ向かうプロセスが丸で駄目!!
つまりストーリーが猛烈に破綻してます。
もう、これは言い始めたら終わんなくなっちゃうので、敢えて掘り下げませんが、まぁ、大まかには世間で酷評されている様な事は僕も感じてます。
冒頭のボマー艦のスピード感や爆弾の投下の仕方、レイアの宇宙浮遊、アクバー殺すなや!、ポーってバカ?、レイに修行をつけないルーク、沈んでるだけのX-wing、レイとカイロのフォース通信、現実世界に干渉する霊体のヨーダ、レイは只の捨て子です、スノークって何やねん?、ファズマって何やねん?、DJって何やねん?、フィンとローズの珍道中、特攻するなら最初から言えやホルド、空気なR2、空気な3PO、ほぼ空気なチューイ、神出鬼没なレイ、既にフォースの達人のレイ、ワープ攻撃最強、結局ほとんど進まないストーリーetc…。
と、まぁ、他にも多々るのですけどね。
中でも、世間で一番糾弾されているのは一連のローズ絡みのシーンの様ですね。
彼女の容姿はとりあえずおいておいて、まぁ、確かに冗長なシーンではありますし、全くストーリーに貢献していないのが致命的なので多くの人からブーイングがあるのは頷けます。
結局あのシーン、つまりカジノのシーンってゴッゾリいらないと思うのは僕も同じなのですが、とは言え、ライアン監督は、何であんなに時間を割いてあのシーンを作ったのかと言う意図を探ると、多分、「命がけでドンパチやっている奴らがいるのとは裏腹に、別の場所ではギャンブルでよろしくやってる奴らがいて、そう言う奴らが敵にも味方にも武器を売ってる」って言う事を言いたかったんじゃないかと思うのですよね。
つまりシーンを一転させて作品にコントラストをつけつつ世の中(あの世界)の理不尽さを表現しようと思ったのでしょう。
ただ、何せ、そこに向かうまでのプロセスが馬鹿丸出しだから観客には全く伝わらないわな。
前後がお馬鹿展開なのに、そこだけ高尚な哲学的エッセンスをぶち込んでもねぇ…。
シーンとしてもあまり楽しくなかったしなぁ。
まぁ、でも、『フォースの覚醒』のマズ・カナタの酒場のシーンよりは幾分新鮮味はあったかもしれませんね。
スターウォーズ史上「駐車禁止」ってワードは初めて聞きましたし。
と、世間では色々と不満が噴出していますが、僕が個人的に一番イラっとしたシーンは、何を隠そう、ルークとレイが剣術対決(?)をした際に、最終的にルークが力負けして尻餅を付いてしまうシーンです。
これはホントに腹たったなぁ。
たかが小娘相手に
英雄に尻餅付かせるんじゃねー!
って、ムカムカしてしまいました。
オメー、ルークを貶めるのもいい加減にしろや!
ってね。(笑)
と、まぁ、もはや褒めてるのか貶してるのかさえわからなくなってきてしまいました。(笑)
要は、この映画、シチュエーションを楽しむと言う意味では結構イイ線いってるんじゃないかと思うのです。
で、ストーリーはあまり真剣に考えちゃ駄目!
要するにアトラクションムービーなんですよね。
もはや映画としての体を成しているのかどうかも疑わしいところではありますが、少なくとも『フォースの覚醒』に比べて、良くも悪くも心に引っかかるところが多かったのも事実です。
素晴らしいシーンも嫌悪感を覚えたシーンも含めて、心に残るものが多かったと言う点に於いて、個人的には前作よりも遙かに評価出来ると思うし、実際、上述した「良いシーン」は文句無く楽しかったしね。
あと、これは前作の『フォースの覚醒』からですが、今作からはより顕著に劇中にディズニーの思惑が散りばめられてて、うんざりしてしまう部分が多々ありますね。
要するにディズニーとしてはスターウォーズを自らのモノにしたいと言う野望がある訳です。
その為にはジョージ・ルーカスのスターウォーズとは決別して、独自の世界観を構築する必要があります。
で、劇中でジョージ・ルーカスの作ったスターウォーズ世界のピースを少しづつ削っていってるのですが、その様に明らかなる商魂を感じてしまって、ちょっと興醒めしてしまいます。
プロパガンダって言うんですかね?
これは明らかにディズニーから製作サイドへの要望があったんだろうなぁ。
幾つか挙げてみましょう。
・過去のヒーローの退陣
前作ではハン、今作ではルーク、おそらく次作でレイアが殉職するはず。
つまり、僕らが嘗て夢中になったヒーローたちは一人づつ劇中で亡き者となります。
・アナキン、ルークのライトセイバーの破壊
これは猛烈にあからさまでしたね。
アナキン、ルークと受け継がれたライトセイバーを態々再び持ち出した上で敢えて真っ二つします。
これは取りも直さずスカイウォーカーの血統との決別を意味しているのでしょう。
・フォースを使うチビっ子
従来の「血統による才能」では無く、誰しもが持ちうる力としてフォースを描こうとしているのが伺ってとれます。
つまり、ジョージ・ルーカスの構築した哲学を真っ向から否定し、今後はディズニー独自のフォースのルールを定義するつもりなのでしょう。
と、なんだかディズニー側のルーカス排除の姿勢が猛烈にあからさまに感じられるのですが、もう少し両者で歩み寄って作品を作る事は出来なかったのかなぁ?
ファンとしては是非そうして欲しかったところなのですが、まぁ、色々と大人の事情があるのでしょう。
って事で、やっぱり猛烈に支離滅裂になってしまいましたが、一応纏めましょうかね。
今作『最後のジェダイ』ですが、わたくしオーガナ的には、
部分毎には凄く良いけど全体は駄目
って感じでしょうか。
ただ、やっぱり、又、前作との比較論になってしまうのですが、なんて言うのかなぁ?
ド真ん中(ルーカスイズム)がゴッソリ抜け落ちてはいるけれど表面を上手に繕っている前作に比べれば、ド真ん中とは言わないまでにも一応真ん中の一部は掠ってるんじゃないかとも感じるのです。
勿論、アクが強ければ良いって訳ではないのですが、アクが無いのはもっと良くない!
少なくともスターウォーズと言う作品に於いては。
ってな訳で僕個人としては圧倒的に『最後のジェダイ』に軍配が上がります。
って言うか、まぁ、ホントはどっちも駄目なんでしょうけどね。(笑)
あと、この作品を観終わった後に強く感じたのは、僕が子供の頃から大好きだったスターウォーズ、つまり、ジョージ・ルーカスの作った、あの世界は、もう二度と帰って来ないのだと言う事でした。
わかっちゃいたのだけど、実感してしまうと、やっぱり寂しく感じてしまいます。
何やら既にエピソード10以降も制作が決まってるっぽいので、もう、本当にスターウォーズはディズニーの都合の良い物語へと変貌して行くのでしょう。
それは必ずしも従来のファンが納得するものとは限らないのですが、それはそれとして、時代の流れとして受け止めるべきなんじゃないかと僕は思うのですよね。
僕自身が今後のスターウォーズをそんなに好きになれなかったとしても、新しい世代の人たちにとっては凄く良作なのだとしたら、それはそれで良い事ですからね。
ともあれ、この『最後のジェダイ』、本当に様々な感情が交錯する不思議な作品ではありました。
やはり、僕個人としては『フォースの覚醒』から成る新ディズニートリロジーを今迄の作品と同列に捉える事は出来ないと言うのが素直な感情です。
って言うか、仮に同列に捉えた場合、結構な嫌悪感を覚えてしまうのが正直なところで、だったら一線を画した上で、あくまでもディズニーが作った新しいスターウォーズとして、やや俯瞰した状態で変に斜に構えずに作品を鑑賞する方が気楽ってもんです。
要するに自らの精神衛生を保つ為には、そうせざるを得ないって事です。
従来のファンであれば渾身の力を込めた正拳突きでスクリーンをブチ破りたい衝動に駆られるであろう諸々の事も、一線を画す事によって、おおらかな気持ちで観られるってもんです。
何やら今回の『最後のジェダイ』に関しては、ファンの間で作り直しを要求する為の署名運動が起こっている程に評判が宜しくないらしいですが、いくらファンが声高に作品に対する不満を口にしたとしても、まず出来上がった作品を変えるなんて事はあり得ない訳だから、だったら、こちら側のマインドセットを変えて挑むのが健全ってものです。
ま、折角映画館まで足を伸ばしてるのだから、楽しめると思える部分だけでも楽しんだ方が良いですからね。
あと、今回の感想ですが、僕としては珍しく
かなり毒を吐きます
更に感想を書く上で、どうしても
フォースの覚醒をディスる
事が余儀なくされるので『フォースの覚醒』から始まるディズニー3部作が好きと言う方は読み進めるのを控えて下さいね。
場合によっては気分を害する可能性がありますので…。
え〜、そもそもディズニーの展開するナンバリングスターウォーズの世界観って
クソつまんねー!!
と僕は思ってます。
いくらファンからの支持が高いからと言って、一度大団円を迎えた世界観とほぼ同じシチュエーションで再開するって、芸が無いにも程があります。
『フォースの覚醒』を観たジョージ・ルーカスが酷評をしたのは至極当然だと思いますね、うん。
おこがましいとは思いますが、長い間ルーカスのスターウォーズのファンだった身としては、ルーカスの気持ちが何となく理解出来ます。
まぁ、スターウォーズを売ったヤツが何を言うのかと言う意見も聞こえてきそうですが…。
要するに、ディズニー3部作には、そもそも描きたい物語が無いのですよ。
単にスターウォーズと言う映画を作りたいから物語をでっち上げたに過ぎないので、だから事前にファンにリサーチを行うなんて言う馬鹿げた現象が起こります。
描きたいモノが無いなら作るなよ!!
と、少なくともルーカスのスターウォーズをこよなく愛す身としては、こう言いたくなってしまう次第です。
さて、で、今回の『最後のジェダイ』。
正直、クリエイティビティの欠片も感じられなかった前作の『フォースの覚醒』の続編としては、猛烈に足掻いている様に感じました。
もしかするとライアン・ジョンソンも『フォースの覚醒』を観て「つまらない」と感じたのかもしれません。
予定調和で終始した『フォースの覚醒』に対して、如何に抗う事が出来るのかを挑戦した様にも感じられます。
故に、意表を突く事に固執したのではないかと。
勿論、その方法論が乱暴だったのは映画を観れば誰しもが感じるところではあるのですが、とは言え、『フォースの覚醒』を観た時の淡々とした感覚とは全く逆で、良しにせよ悪しにせよ、観ている間中感情の起伏があったのは確かです。
少なくとも僕はね。
要するに、観客に新しいモノを見せようとする気概だけは感じる事が出来て、その一点のみに於いて、若しくは、その一点があるからこそ『フォースの覚醒』よりも遙かに楽しく感じたのではないかと思うのです。
で、前作を「つまらない」と言い切った創造主のルーカスが、今作に於いては「綺麗に仕上がってる」と賛辞を送った理由もそこら辺にあるのじゃないかと。
つまり、常に新しいものを作りたかったルーカスにとって、懐古主義だった前作よりも、荒削りではあるにせよ果敢に新たな試みに挑戦している今作の方が好ましく感じたんじゃないかと思うのですよね。
まぁ、結果的にご法度だらけになっちゃいましたが。(笑)
なんて言うんですかねぇ。
ライアン・ジョンソンって、シーン毎のシチュエーションに於いての魅せ方は凄く上手だと思うのですけど、その反面、全体の流れとして見せるのは、ちょっと不得意なのかなぁ?
事実、グっとくるシーンは結構あったと思うのですよね。
って言うか、シーンだけを切り取って見たとすれば、結構な名シーンの連続だったんじゃないかと。
そんな訳で、個人的に好きなシーンを幾つか挙げてみましょうかね。
・冒頭のポーの単独で敵陣にX-WINGで突っ込んで行くシーン
旧3部作でのエースだったウェッジはイマイチ凄腕感が伝わってこなかったのだけど、あのシーンのポーは「お、コイツ、スゲーヤツなんだな!」って感じが良く出てたと思います。
X-WINGがドリフトするのも好きだなぁ。
・嘗ての弟子の元に姿を現すマスターヨーダ
すっかり年老いたルークをして、マスターヨーダは今も尚「ヤング・スカイウォーカー」と呼びます。
どんなに年をとったとしても弟子は弟子なんですよね。
いつまでも大きな存在としていてくれる偉大な師の存在が暖かく感じる良いシーンでした。
・ファルコン号のコクピットに入るルーク
前作でもそうでしたが、こんなにも存在感の大きなビークルって他にあるでしょうか?
そんな存在感の大きなビークルに、これ又絶大な存在感を誇る嘗てのヒーローが再び入るって、もう、反則に近いですよね。
・助けて!オビワン・ケノービ!
反則技その2。
こんなの感動しない訳がない。
・カイロとレイの共闘。
これも嘗て無い素晴らしいシーンだと思います。
一時的とは言え、赤いライトセイバーと青いライトセイバーが力を合わせて戦うなんてシーン、過去のスターウォーズではなかったですからね。
従来のスターウォーズからは考えられないシーンに思わず「おおっ」と声が出ました。
・ルークとレイアの再会。
涙モノでした。
「髪型を変えたのよ」って、さぁ、姫。
若き日の貴女の活躍を知っている身としては、色んな感情が込み上げて来て止まりませんぜ。
・ルークとカイロの一騎打ち。
「お前如き、まだまだ私の敵ではないよ」とでも言わんばかりのルークの立ち振る舞いはカッコ良かったですねぇ。
ジェダイマスターの名に相応しい毅然とした態度は流石ルーク。
最後の最後に「ああ、やっぱりルークはカッコいいんだ!」って思えるシーンを用意してくれた事に素直に感謝しました。
他にもちょっとした良いシーンは沢山あります。
沢山あるのですが…。
そこへ向かうプロセスが丸で駄目!!
つまりストーリーが猛烈に破綻してます。
もう、これは言い始めたら終わんなくなっちゃうので、敢えて掘り下げませんが、まぁ、大まかには世間で酷評されている様な事は僕も感じてます。
冒頭のボマー艦のスピード感や爆弾の投下の仕方、レイアの宇宙浮遊、アクバー殺すなや!、ポーってバカ?、レイに修行をつけないルーク、沈んでるだけのX-wing、レイとカイロのフォース通信、現実世界に干渉する霊体のヨーダ、レイは只の捨て子です、スノークって何やねん?、ファズマって何やねん?、DJって何やねん?、フィンとローズの珍道中、特攻するなら最初から言えやホルド、空気なR2、空気な3PO、ほぼ空気なチューイ、神出鬼没なレイ、既にフォースの達人のレイ、ワープ攻撃最強、結局ほとんど進まないストーリーetc…。
と、まぁ、他にも多々るのですけどね。
中でも、世間で一番糾弾されているのは一連のローズ絡みのシーンの様ですね。
彼女の容姿はとりあえずおいておいて、まぁ、確かに冗長なシーンではありますし、全くストーリーに貢献していないのが致命的なので多くの人からブーイングがあるのは頷けます。
結局あのシーン、つまりカジノのシーンってゴッゾリいらないと思うのは僕も同じなのですが、とは言え、ライアン監督は、何であんなに時間を割いてあのシーンを作ったのかと言う意図を探ると、多分、「命がけでドンパチやっている奴らがいるのとは裏腹に、別の場所ではギャンブルでよろしくやってる奴らがいて、そう言う奴らが敵にも味方にも武器を売ってる」って言う事を言いたかったんじゃないかと思うのですよね。
つまりシーンを一転させて作品にコントラストをつけつつ世の中(あの世界)の理不尽さを表現しようと思ったのでしょう。
ただ、何せ、そこに向かうまでのプロセスが馬鹿丸出しだから観客には全く伝わらないわな。
前後がお馬鹿展開なのに、そこだけ高尚な哲学的エッセンスをぶち込んでもねぇ…。
シーンとしてもあまり楽しくなかったしなぁ。
まぁ、でも、『フォースの覚醒』のマズ・カナタの酒場のシーンよりは幾分新鮮味はあったかもしれませんね。
スターウォーズ史上「駐車禁止」ってワードは初めて聞きましたし。
と、世間では色々と不満が噴出していますが、僕が個人的に一番イラっとしたシーンは、何を隠そう、ルークとレイが剣術対決(?)をした際に、最終的にルークが力負けして尻餅を付いてしまうシーンです。
これはホントに腹たったなぁ。
たかが小娘相手に
英雄に尻餅付かせるんじゃねー!
って、ムカムカしてしまいました。
オメー、ルークを貶めるのもいい加減にしろや!
ってね。(笑)
と、まぁ、もはや褒めてるのか貶してるのかさえわからなくなってきてしまいました。(笑)
要は、この映画、シチュエーションを楽しむと言う意味では結構イイ線いってるんじゃないかと思うのです。
で、ストーリーはあまり真剣に考えちゃ駄目!
要するにアトラクションムービーなんですよね。
もはや映画としての体を成しているのかどうかも疑わしいところではありますが、少なくとも『フォースの覚醒』に比べて、良くも悪くも心に引っかかるところが多かったのも事実です。
素晴らしいシーンも嫌悪感を覚えたシーンも含めて、心に残るものが多かったと言う点に於いて、個人的には前作よりも遙かに評価出来ると思うし、実際、上述した「良いシーン」は文句無く楽しかったしね。
あと、これは前作の『フォースの覚醒』からですが、今作からはより顕著に劇中にディズニーの思惑が散りばめられてて、うんざりしてしまう部分が多々ありますね。
要するにディズニーとしてはスターウォーズを自らのモノにしたいと言う野望がある訳です。
その為にはジョージ・ルーカスのスターウォーズとは決別して、独自の世界観を構築する必要があります。
で、劇中でジョージ・ルーカスの作ったスターウォーズ世界のピースを少しづつ削っていってるのですが、その様に明らかなる商魂を感じてしまって、ちょっと興醒めしてしまいます。
プロパガンダって言うんですかね?
これは明らかにディズニーから製作サイドへの要望があったんだろうなぁ。
幾つか挙げてみましょう。
・過去のヒーローの退陣
前作ではハン、今作ではルーク、おそらく次作でレイアが殉職するはず。
つまり、僕らが嘗て夢中になったヒーローたちは一人づつ劇中で亡き者となります。
・アナキン、ルークのライトセイバーの破壊
これは猛烈にあからさまでしたね。
アナキン、ルークと受け継がれたライトセイバーを態々再び持ち出した上で敢えて真っ二つします。
これは取りも直さずスカイウォーカーの血統との決別を意味しているのでしょう。
・フォースを使うチビっ子
従来の「血統による才能」では無く、誰しもが持ちうる力としてフォースを描こうとしているのが伺ってとれます。
つまり、ジョージ・ルーカスの構築した哲学を真っ向から否定し、今後はディズニー独自のフォースのルールを定義するつもりなのでしょう。
と、なんだかディズニー側のルーカス排除の姿勢が猛烈にあからさまに感じられるのですが、もう少し両者で歩み寄って作品を作る事は出来なかったのかなぁ?
ファンとしては是非そうして欲しかったところなのですが、まぁ、色々と大人の事情があるのでしょう。
って事で、やっぱり猛烈に支離滅裂になってしまいましたが、一応纏めましょうかね。
今作『最後のジェダイ』ですが、わたくしオーガナ的には、
部分毎には凄く良いけど全体は駄目
って感じでしょうか。
ただ、やっぱり、又、前作との比較論になってしまうのですが、なんて言うのかなぁ?
ド真ん中(ルーカスイズム)がゴッソリ抜け落ちてはいるけれど表面を上手に繕っている前作に比べれば、ド真ん中とは言わないまでにも一応真ん中の一部は掠ってるんじゃないかとも感じるのです。
勿論、アクが強ければ良いって訳ではないのですが、アクが無いのはもっと良くない!
少なくともスターウォーズと言う作品に於いては。
ってな訳で僕個人としては圧倒的に『最後のジェダイ』に軍配が上がります。
って言うか、まぁ、ホントはどっちも駄目なんでしょうけどね。(笑)
あと、この作品を観終わった後に強く感じたのは、僕が子供の頃から大好きだったスターウォーズ、つまり、ジョージ・ルーカスの作った、あの世界は、もう二度と帰って来ないのだと言う事でした。
わかっちゃいたのだけど、実感してしまうと、やっぱり寂しく感じてしまいます。
何やら既にエピソード10以降も制作が決まってるっぽいので、もう、本当にスターウォーズはディズニーの都合の良い物語へと変貌して行くのでしょう。
それは必ずしも従来のファンが納得するものとは限らないのですが、それはそれとして、時代の流れとして受け止めるべきなんじゃないかと僕は思うのですよね。
僕自身が今後のスターウォーズをそんなに好きになれなかったとしても、新しい世代の人たちにとっては凄く良作なのだとしたら、それはそれで良い事ですからね。
ともあれ、この『最後のジェダイ』、本当に様々な感情が交錯する不思議な作品ではありました。
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